★2009年04月12日(日)01:18
妊娠66日目
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 | 妊娠66日目で来院!「外陰部から黒いおりものが出ています。陣痛が来ません。」との事で午前11時半に来院。病院一同「えー!」皆で顔を見合わせ緊急手術だ!」急いでレントゲン撮影。超音波エコー検査。結果 2頭の妊娠です。右の子宮の1頭は心拍を確認できませんでしたが左の胎児の心拍は除脈でしたが確認。 急いで帝王切開です。毛刈りをし切開部位の局所麻酔、低侵襲の麻酔後気管挿管。 ガス麻酔に切り替え切開。除脈を起こしている胎児をまず助けないと2頭とも死んでしまう確立が高いと判断。妊娠している母親も助けないといけないし死にそうな胎児も助けないと。切開後切開部位からの出血がひどく5分かかってしまいましたが1頭を子宮から取り出しもう1頭にすぐかかりましたが2頭目はすでに腐って死んでいました。最悪なのがそれからです。子宮も腐り始めていました。胎盤からの出血壊死、最悪です。切開をした時真っ黒なドロドロした壊死組織が腹腔に入ってしまいました。腹腔洗浄は後回し。取り出したはじめの胎児は仮死状態。何とか蘇生しないとこのままでは1頭もお母さんわんちゃんに合わせることが出来ません。何とかおっぱいを吸わせてあげたい。院長は手術で手一杯。スタッフも手足唇が紫色のチアノーゼの胎児の蘇生で手一杯。母親の子宮からの異状出血。そこは戦場の様でした。院長の顔に血液が飛びメガネをしていたにもかかわらず院長の眼に血液が入ってしまうトラブル。スタッフに眼科洗浄液で流してもらい手術に復帰。あんなこんなで切開から縫合まで20分で手術を終えました。すっごく疲れましたが取り出した子供の元気な声を聞いて疲れが飛んで行きました。麻酔が効いているお母さんのおっぱいを少し吸わせました。その子供の大きいことといったら「どうしてこんなに大きいの」って言うぐらい大きくびっくりデス。お母さんわんちゃんはすぐに麻酔が覚めましたので点滴をはずし帰しました。スッタッフからこんな難しい手術が何で20分で終わるの?いつもの避妊手術が30分かかるのにどうして?って聞かれましたが自分にも良くわかりません。とにかく昼飯抜きだったこともありちょっと疲れました。翌日飼い主さんから生まれた子供が異状にミルクを飲むとの相談を受けました。それは嬉しい相談でした。本当に良かった!! でも疲れちゃった!!!!! | | |