後日しばらくして、また同じ船に乗りました。今度は釣れました。港に帰ってきてちょっといい気分。船長から少しはほめてもらえるかなって思っているとまたも
「どうして今日は釣れたと思う?」って。どう思うって言ったってそれは釣りがじょうずってことだろう。才能さ。
この間はちょっとだめだったけどこれが実力さ、っと思っていただけに船長の言葉がどうもひっかかる。

それから数ヵ月後、同じ船に乗った。

今度は解説してくれたがそれは文章で書くとたった一行の答えだった。
「魚が口を使うとき(餌をとるとき)はいろいろな条件がそろっていないと食べないよ。」っていうものでした。
この船は一休さんが船長をしているのか?(笑)
これって当たり前のことですがこれがまた奥が深いんです。
魚を釣りに行ったことがある方なら経験したことがあると思いますが今日は何の魚を釣りたいのか?、天候は?、船のどこに座ったらいいのか?、竿の硬さは?糸の太さは?あらゆることを考えて釣りに出かけます。

しかし、何も考えていないビギナーが大釣りすることがあります。
それをビギナーズラックと皆は言っているんですがただその人の餌だけは魚にとって何よりもおいしく見えたのでしょう。
しかもその人はどうして釣れたかなんて二の次です。ただ喜びまわりのベテラン釣り師を前にして「いやー簡単に釣れました」、「もしかして釣りに向いているのかも」などと大きな声で言って回るのです。本当に天才かもなんて思っているかもしれません。

                   
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